はじめに
はい、どうも!!ワインは好きですか?
ここ数年、「自然派ワイン」「有機ワイン」「ビオワイン」「無添加ワイン」などを売りにする小売や小洒落た飲食店が増えてきて、ひょっとしたら一度は飲んだことがあるかも、という人も多いのではないでしょうか?
でも、「自然派ワインと普通のワインって、どう違うの?」とか「自然派ワインも有機ワインも同じでしょ」って思っている人も多いのではないでしょうか?
いや、実は全然違いますから!!
はい、ということで…
このブログでは、自然派ワインを紹介・発信していこうと思っていますが、その前に私がこのブログで紹介しようとしている「自然派ワイン」ってどんなものなのかを含め、かんたんに自然派ワインの基礎知識を話していこうと思います。
では、今更きくにきけない「自然派ワインの基礎知識」スタート!!
自然派ワイン(VinNature)とは
自然派ワインとは、除草剤などを使わず無農薬で育てられたブドウ100%を原料とし、酸化防止剤を極力使わずに、その畑に住む自生の酵母で発酵・醸造したワイン。条件を並べると…
- 無農薬(又は超低農薬)で除草剤を使わずにブドウを栽培
- 酸化防止剤(SO2)を極力使わない、或いはまったく使わない
- その畑に住む自生の酵母で発酵・醸造
- 添加物を使用しない
- passion(情熱)
- 古木
と、こんな感じになります。
ホントの自然派ワインの魅力は、なんと言っても身体に優しく沁みわたり、自然の美味しさを味わえることだと思います。
「自然派ワイン」という言葉のイメージは、できる限り「自然」に寄り添い、その土地その土地の自然の味わいを引き出せるようにつくったワインに使われることが多いです。ブドウが蓄えた自然の力を最大限に引き出しボトリングされたワインは個性的で、驚くほどピュアだったり、抜栓してもしばらく飲めない暴れん坊だったり、それまで飲んでいた普通のワインのもつイメージを覆してくれる「美味しさ」が大きな魅力です。
そして何より身体にやさしい。体にストレスなくすぅ~っと入ってくる感覚。ちょっと飲みすぎたかなと思った翌日の朝のスッキリ感。
また、毎年異なる自然環境の中で試行錯誤し、丹念につくられるということ(=ストーリー)が消費者の心をくすぐるのも事実です。
しかし、ぶっちゃけ、「自然派ワイン」という言葉に明確な定義やルールがなく、括り方が曖昧であるため、有機ワイン(オーガニックワイン)などと一括りになっているのが現状。
自然派ワインと有機ワインの違い
ワイン会などに行くと「自然派ワインと有機(オーガニック)ワインの違い」についてよく聞かれます。
「自然派ワイン」と「有機ワイン」の違いを考えるとき、まずブドウの有機栽培・有機農法について考える必要があります。有機農法にはいくつかの方法があり、代表的なものは下記の3つになります。
- リュット・レゾネ=減農薬農法。農薬や化学肥料の使用を最小限にとどめたもの。
- ビオロジック=殺虫剤・除草剤・化学肥料を使用しない、いわゆる有機農法。
- ビオディナミ=ビオロジック+月や天体の運行に合わせた農作業をする農法。
EU法では、厳格に規定を3年以上守られたと認められた土地でブドウを栽培した場合に有機認証を得られます。その有機認証を得たブドウのみを使用しつくられたワインを「有機ワイン」と呼ぶことができるのですが、ここに「自然派ワインと有機ワインの違い」が生まれます。
まず、有機でないと自然派ではない。逆に言うと、自然派はすべて有機だろう、という誤解。「有機」というのはあくまで認証でしかありません。認証を取るかどうかは蔵元次第。コストのかかる有機認証をあえて取得する必要がないと考える蔵元が実は多いのではないかと推測されます。
次に、ブドウ栽培後の処理。ホントの自然派ワインの蔵元が使用する添加物は酸化防止剤(SO2)のみ。その量もごく少量か無し。有機ワインについてEU法では36種類もの添加物の使用が認められています。おそらくは大手企業への忖度もあったと邪推してしまいますが…実は有機ワインの認証があっても、流通している有機ワインの多くがこのタイプ。ここが、ホントの自然派ワインと有機ワインとの大きな違い!!
ここで一つ断っておくと、EUの有機認定ワインが悪いとかいう気はありません。当然、EUの有機認定を取得している自然派ワインもあるにはあります。このブログでは「括り方の問題」としてあげました。あくまで、有機認定取得は生産者の自由意志。有機認定は自然派ワインとまったくのイコールの関係ではないということ。後は消費する側の、自然という言葉の解釈の仕方と選択の問題だと思います。
深く根を張ったワイン
ワインの製造は基本的に年に一度きりです。なので、一度の失敗も許されません。数年暮らしていけるだけの貯蓄や在庫があれば別ですが、副業でもしていない限り、収入源が無くなってしまうからです。
しかし、農薬や除草剤などを使わないブドウの自然栽培は簡単なことではありません。
天災に見舞われることもあれば、ブドウが病気にかかって傷んでしまうこともあります。その都度、最適な処置をしないといけないし、傷んでしまったブドウを他の傷んでいないブドウを傷つけないように手作業で除去しなくてはならないこともあります。
ブドウの出来・不出来がワインの美味しさに直結します。
傷んだブドウを選別せずにそのままワインに使えば、当然味は悪くなります。
気の遠くなるような地道な手作業、心の底からワインが好きで仕方のない人間のみがなせる業。そういう人間だけがもっているワインづくりへのpassion(情熱)が様々な困難に打ち勝ち、長い年月をかけ、ブドウの樹とともに大地に深く根を伸ばし、自然派ワインの質を高めてきました。
私がこのブログで紹介していきたい自然派ワインは、そんなpassion(情熱)をもった蔵元のワインです。
原点回帰
ワインの歴史は、紀元前数千年にまで遡ります。現在の工業的に生産されているワインの歴史は、実はせいぜい百数十年に過ぎません。それ以前は自然に寄り添い、自然の力に溢れたワインをつくっていました。
今、自然派ワインをつくっている蔵元・生産者の多くは、何の添加物も無かったそんな昔のワインを再現しようとしているといえます。
ワイン界の時代の振り子は一時、大量生産大量消費の工業的ワインに振られていましたが、量よりも質を志向する現在は、確実に自然派ワインに、本物のワインに向っています。
はい、ということで
有機だとか無添加だとかそれらしい名前のワインをひっくるめて、「自然派ワイン」と呼ばれてしまっていますが、ホントの自然派ワインとの違いが少しでも伝われば幸いです。
ワインは人生を楽しむためにあります。美味しい料理に美味しいワイン。それだけで幸せを感じることができます。その美味しいワインの中に「自然派ワイン」が増えていくといいなあと思う今日この頃です。
自然派ワインを知り、自然派ワインをみんなで楽しみましょう!!
コメント